おひとりさま

怖くない?介護は? 悠々自適のおひとりさまにも準備は必要

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おひとりさまは増加傾向・現状をまずは把握しよう

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近年日本では晩婚化が進んでいるとよく言われますが、さらに生涯結婚を一度もしないという男女も増えてきています。しかも生涯結婚をしない男女は今後もしばらくは増加するのではないかとみられています。国立社会保障・人口問題研究所というところがデータを発表しています。それによると2010年の生涯未婚率ですが、男性約20%・女性約10%となりました。ちなみに2000年のデータによると男性約12%・女性6%でしたからこの10年で未婚者がかなり増えていることがうかがえます。

国立社会保障・人口問題研究所では、今後の生涯未婚率の予測も発表しています。そのデータによると2020年には男性約27%・女性約18%になるとみられています。さらに2030年になるとさらにその割合は伸びて、男性約30%・女性約20%になるだろうといいます。つまり近い将来、一生結婚しない人が男女ともに10人に2~3人いる計算になります。ということは、今まで以上に結婚しないことが当たり前の時代になっていくというわけです。

さらに日本は現在世界的に見ても「離婚大国」といわれています。よって結婚をしても離婚して、その後は一人暮らしになることも十分予測されます。このように老後おひとりさまになることは、決して珍しくないありふれたことになりうるわけです。

ちなみに東京都に限ったデータになりますが、2030年には独身高齢世帯が95万人に達すると見込まれています。また親元で暮らしている独身の人は250万人です。この250万人も親が亡くなれば独身高齢世帯になる可能性の高い、いわば予備軍です。ということは、今後東京では最大340万人が見込んで高齢おひとりさまを迎える計算になります。もし結婚適齢期で独身のままの方がいれば、「自分ももしかするとおひとりさまで老後を迎えるかもしれない」と想定して、早めの準備を心がけたほうがいいかもしれません。

死後のことも考えておひとりさまで老後を迎えるための準備

おひとりさまで老後を迎える場合、さまざまなならではの問題の生じる可能性があります。どのようなことについて準備をすればいいのか、以下で詳しく見ていきます。

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入所する際の保証人問題

恒例のおひとりさまの問題で老後結構大きくなるのが、保証人の問題です。入院や老人ホームに入所する場合に、保証人を求められるケースが多いです。高齢者に自分がなれば、親もなくなっているでしょうし誰も保証人となってくれる人がいないかもしれません。成年後見センター・リーガルサポートという司法書士団体が保証人に関する調査を行いました。その結果、病院や施設の実に9割が患者や入所希望者に身元保証人を求めるといいます。

保証人がいなくても入院・入所を認めてくれるケースも多いです。しかし身元保証人がいなければ、その時点で入所を認めない施設も3割近くあります。中には責任は荷が広いため、高齢でも保証人を身内から2名求められるケースも少なくありません。

なぜここまで保証人を求めるのか、まずは治療費などの費用負担の問題があります。また例えば病院の場合、治療の中で手術の必要になることもあり得ます。その場合、後々医療トラブルにならないためにも家族の同意を取り付ける必要があるわけです。さらに老人ホームなどの介護施設の場合、介護方針や重症化した場合の転居の同意が求められます。さらになくなった場合の遺体や遺品の引き取り、居室の原状回復、行政の手続きを行ってくれる家族がいないと困るためです。

さらに老後、切っても切り離すことのできない問題として認知症があります。認知症になってしまうと、自分の意思表示もままならなくなることもあり得ます。そうなれば、誰か家族が代わりになって対応する必要があります。また認知症は自覚して自ら病院に行くことはないでしょう。ある程度進行してしまうと、介護や施設への入所手続きも自分ではままならなくなります。このような状況にならないようにするためにおすすめなのが、任意後見契約を前もって交わすことです。

任意後見契約は、自分が認知症などで判断力が低下した場合、財産管理・医療・介護など生活全般に関する契約や手続きを代行してもらう制度のことです。これは自分が死去するまでの契約になります。もし任意後見契約が不安であれば、見守り契約や任意代理契約、死後事務委任契約なども交わしておくといいでしょう。

任意後見契約を交わしていれば、先ほど紹介した病院や施設に入所する際の保証人の問題もクリアできる可能性が高いです。任意後見契約を交わしたときに希望すれば、たとえば自分が意識不明になって延命治療をすべきかどうかの話し合いに参加できるケースもあります。

ただしこの任意後見契約を交わす際には、本当に信頼のおける人を探すことが求められます。実は任意後見制度を悪用したトラブルも発生しているからです。任意後見人に対して、第三者の監視は入りません。このため、悪意を持って後見人となれば、相手の財産を勝手に処分して自分の懐に入れようと思えば入れることも可能です。このようなトラブルに巻き込まれないようにするためには、行政の窓口や弁護士など法律専門家などに相談するといいでしょう。

孤立しない対策を構築しておこう

高齢のおひとりさまで問題になるのが、孤立です。どうしても高齢者は社会的弱者になりがちで、コミュニティから切り離されることも少なくありません。そこで孤立しないための準備を進めておくことも大事です。例えば万が一何かしらのサポートが必要になったときにすぐに駆け付けられるような距離に3人程度の相互扶助できる仲間を準備しておきましょう。別に相互扶助の対象は親族でなくても構いません。友達でも隣人でお付き合いのある人であれば問題はないです。

そのためには高齢者になる前に、終の棲家を見つけておいたほうがいいでしょう。何か困ったことがあれば、気軽に周辺に助けを求められるような環境を作ることです。兄弟姉妹やその家族、昔からの仲間など気の置けない人の住んでいる近くに住まいを構えると、いざという時に安心です。

断捨離も進めておくべき

これだけ準備をしておいても、突然最期を迎えることもあり得ます。突発的な事態で、周辺に助けを求める暇もなく…ということもあり得ます。また病院で入院してそのまま…ということも考えられます。そこで問題になるのは、遺品整理です。例えば先ほど紹介したように近くに知り合いが暮らしていれば、遺品整理もその人に任せられるでしょう。しかし遺品が多いと、相手に迷惑をかけてしまいます。そこで断捨離を進めるのもおすすめです。

極力必要のないものはどんどん処分を進めて、本当に必要最小限のものだけを手元に残すように心がけましょう。断捨離の場合ネックになるのが、「これは思い出の品物だから…」ということで捨てるのを躊躇してしまうパターンです。その場合には家族や知人などに形見分けではないですが、託すという方法もあります。そうすれば、思い出の大事な品物を捨てたわけではないですから、心理的なストレスもさほど感じないはずです。

無駄なもの・必要ないものを元気なうちに処分しておくと、思い残すことなくいざという場合でも旅立てるはずです。

決して寂しくないおひとりさまの老後を楽しく過ごすための方法

高齢者にもなっておひとりさまといわれると、何か寂しいというイメージを抱く人もいるでしょう。しかし過ごし方によっては、十分楽しいおひとりさまのセカンドライフを楽しめるはずです。ではどのような工夫をすれば、老後楽しく過ごせるのでしょうか?

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貯蓄を進めておこう

老後の生活でやはりお金は必要不可欠です。高齢者になれば現役バリバリのように仕事を続けるのは難しいでしょう。ではお金はどの程度必要でしょうか?ここでは65歳以上の単身無職世帯を想定します。総務省の「家計調査報告」の平成29年度版によると、実収入は社会保障給付を含め11万6599円・消費支出が14万1529円・税金などの非消費支出が1万2723円となりました。差し引きすると1か月3万7653円の不足です。この不足分を貯蓄で賄う形になるでしょう。

もしこの収支で90歳まで生きたと仮定すると、約1130万円の貯蓄が必要な計算になります。ただしこちらの計算のベースになっている支出は、基本的生活費です。例えば医療・介護費やレジャー費などを含めた場合、支出はその分多くなります。

元気であれば仕事を続けるのも〇

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現在の高齢者は元気で、いわゆる定年を迎える60歳や65歳でもまだまだバリバリ仕事ができるという方もいるでしょう。仕事を続ければ、一定の収入が入ってきて老後の生活のやりくりもしやすくなります。定年退職をした場合、例えば専門知識を持っていればそれを生かした仕事をしてみるのはいかがですか?現在のビジネスはボーダーレスがどんどん進んでいます。このため中には海外の取引先とビジネスをしてきて、語学力堪能な方もいるでしょう。その場合、翻訳や観光客に対する英語案内などの仕事があります。

そのほかには、ライターの仕事もあります。現在は数多くのサイトがインターネット上に出ていますが、このコンテンツを作成するライターの募集は頻繁に行われています。文章を書くことが苦ではなく、パソコンがあればどこでも手軽に始められる仕事です。

もし手先の器用さに自信があれば、ハンドメイド作家として活躍する道もあります。現在ではオートメーション化が進んで、ロボットや機械などによる大量生産が主流です。一方で手作りの商品も温かみがあって、いつの時代も安定した需要があります。例えばSNSなどに画像をアップして注文を受け付ける方法もあります。もしかすると企業の目に留まった、より大きなビジネスにつなげられる可能性も十分期待できます。また何か趣味があれば、それを教える教室を開催して、生徒から月謝を受け取る方法もあります。例えば自宅の部屋を教室にすれば、賃料などを気にせずに開講できるでしょう。

貯蓄だけではどうしても心配という人もいるでしょう。例えば大きな病気にかかって、手術や長期入院となればどうしても医療費がかさみます。その場合には医療保険に入るのがおすすめです。医療保険に入っておけば、手術・入院給付金を受け取れます。また先進医療は保険がかからないため全額自己負担になりますが、保険に入っていればこの部分の補償も受けられます。

自宅で楽しく過ごす方法を考える

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やはり外出すると、買い物やレストランの食事などでどうしてもお金が出ていきます。しかし自宅でずっと過ごしていれば、浪費を防げます。老後資金の無駄遣いを防ぐためには、自宅で楽しく過ごす方法を見つけることも大事です。節約効果だけでなく、おひとりさまの時間を楽しく過ごせるようになります。

インターネットのおひとりさまの体験談もいろいろと紹介されています。その中には「コーヒーを入れるのが趣味」という方がいました。豆からひいてコーヒーの味・香りを楽しめるようになれば、自宅でもリッチなひと時を味わえ、高齢者の孤独さ・寂しさも払しょくできるはずです。

近所の人と会ったら挨拶を

高齢者の単身世帯の場合、どうしてもコミュニティから置き去りにされがちです。そこで自分から周りとの関係を構築できるように意識しましょう。例えば外に出るときに近所の人と顔を合わせたときには、挨拶をするように意識しましょう。

都会は隣人との関係が希薄で、マンションの隣の部屋に住んでいる人が誰だかよくわからないということもあるはずです。いきなり声がけするのは恥ずかしい・怖いというのであれば、会釈からでも構いません。そうすることで関係性ができてきて、交流も生まれます。このように孤独にならないように、自分からコミュニティの輪の中に入っていく姿勢を見せることも重要です。

しっかり準備をすれば老後のおひとりさまも怖くはない

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長らく続く不況によって、結婚したくてもできないという方は増えています。おひとりさまといわれると、孤独などの不安を感じる人もいるでしょう。しかし上で紹介したように早めの準備を心がければ、その懸念も払しょくできるはずです。

特に貯蓄は現役世代の段階で極力行うことが、老後の余裕のある暮らしにつなげられます。